こんにちは!
とーかいりん男爵こと東海林大介です!
今回は、とーかいりんと縁のある、自分の仕事を持って活躍している人を紹介していくシリーズです。
注)この記事は2019年8月26日のインタビューを編集したものです。
野球三昧の夏の真っ最中ということで、とーかいりんは真っ黒ですね。
目次・読みたい個所へジャンプ
酒菜や まつ 松井店主
今回は阿佐ヶ谷にある、とーかいりんが大好きな居酒屋、「酒菜や まつ」の松井章(まついあきら)店主。
いつも創意工夫に満ちた料理を作る松井さんから、どんな話が聞けるんでしょうか。
早速聞いていきましょう!
【東海林】
こんにちは!
いつもはうまい料理と、うまい酒に夢中になってしまって、あんまり松井さんの話を聞く機会がないんですよね。
今日は、普段あまり聞けないことをどんどん聞いていくので、よろしくお願いします!
【松井さん】
よろしくお願いします!
他の店との違い
【東海林】
では早速。他の店と違うところはどんなところですか?
【松井さん】
「ザ・昭和の居酒屋」という感じですね。
インスタ映えとか、そういうのは全く狙っていませんし。
「料理はなるべく手作りする」というこだわりがあります。
テレビを見ながら気軽に飲めるような、そんな店です。
【東海林】
野球シーズンはいつも、阪神戦が流れていますもんね。
オープン当初から禁煙
【東海林】
嫌煙家のボクは、居酒屋なのに禁煙というところも好きなんですよね。
【松井さん】
ありがとうございます。
開店当初から禁煙にしていました。
もともと、いつか禁煙の時代が来ると思っていたんですよね。
来年(2020年4月)からは、東京都も基本的には禁煙になりますし。
ボク自身がタバコを「せっかくやめた」ということもありますね。
折角自分は禁煙したのに、目の前で吸われると悔しいですし(笑)。
それでもし「お客さんが来ない」となったとしても、仕方ないかなと思ってました。
禁煙だから儲からない、となって、最悪商売が成り立たなくなったら、その時に喫煙可にすればいいんじゃないかとも思ってましたし。
【東海林】
いつも思うんですけど、メニューがバラエティに富んでいますよね。
【松井さん】
そうなんです。
「刺し身と日本酒」だけでいいなら、寿司屋に行けばいいと思うんです。
うちはふざけた居酒屋だから、タコスをやってみたり、魯肉飯(ルーローファン)とかやってみたり。
色々チャレンジしています。
【東海林】
あ!先日のあれですね!
ルーローファン、めちゃくちゃうまかったですよ(笑)
手作りへのこだわり
【松井さん】
あとは、基本的には、料理は全部手作りです。
日本酒の品揃えにも力を入れていまして、冷酒と燗酒を合わせて、常時30~40種類くらい置いています。
今、仲良くさせてもらっている酒蔵さんとは、イベントで知り合ったり、旅行先で実際に酒蔵見学に行って知り合ったりした方ばかりです。
酒屋さんは、今は2、3件のお店とお付き合いがあります。
酒の管理もしっかりした酒屋さんですから、安心して仕入れができるんです。
お付き合いする酒屋さんの数を絞れば、付き合いが深くなりますよね。
そうすると、融通を利かせてもらえたり、良いことがたくさんあるんですよ。
料理人になるきっかけ
【東海林】
この店をオープンする前の仕事は何をしていましたか?
【松井さん】
「武蔵野調理師専門学校」という調理の専門学校を出てから、ずっとこの仕事です。
料理人になることが、子どもの頃からの夢だったんですよね。
元々は「プロ野球選手になる」という夢があったんですけど、中学生の頃に早々に無理だと諦めました。
当時はテレビで「料理の鉄人」とか「味いちもんめ」とかが流行っていて、そういうのに憧れもありましたね。
ちっちゃい頃から、お母さんが料理を作ってくれていたんです。
でも、たまの土曜日に、いつも作ってくれるお母さんがいない。
そういう時は、「これで食べてね」っておこづかいをもらうんです。
でも「自分で食材を買ってきて作れば、残ったお金は好きなように使える」ということができたので、そんな動機もあったような記憶もあります。
あと、うちは7人家族だったんです。3人兄弟+両親、じじばばで7人です。
末っ子で食べ終わるのが早かったので、リンゴと包丁を渡されて、「人数分むいておいてくれる?」って。
そんなこともよくありました。
料理をして、自分が作ったものを食べてくれる人が、喜んでくれる顔を見るのもうれしかったんですよね。
【東海林】
なるべくして料理人になったんですね。
【松井さん】
そうなんです。
職歴~この店を始めるまで
【松井さん】
中卒で料理の世界に飛び込みたかったんですけど、祖父からは「高校くらいは出ておけ」と言われて、卒業後に専門学校に入りました。
専門学校では、和食コースでした。
小さい頃から、「和食の職人になる」って決めていたんです。
卒業後は「山田屋」というふぐ割烹に就職したんですが、3、4ヶ月で逃げ出しちゃったんです。
同学年の友達はちょうど大学3年生の年ですから、見ていたらうらやましくて、遊びたくなっちゃったんですね。
次はホテルメトロポリタンの「花むさし」で働きました。
でも腰を痛めてしまって、動けなって、結局クビになりました。
契約社員だったのもあって、あっさりでしたね。
某ワイン会社での営業
【松井さん】
その後は、ワインの営業をしました。
某グイグイ系の会社で、はじめはよく売れたんです。
でも3ヶ月くらい経って、売り方に疑問を持ち始めたら売れなくなってしまって・・・
あれは強引な手法でしたねぇ。
【東海林】
へええ!それは初めて聞きました。
色々と経験されているんですね。
【松井さん】
そうなんですよ(笑)
その後は、レストランの商品開発に携わりました。
新しく寿司業態の店を作るということで、採用してもらったんです。
その時に出会ったのが、それ以後もずっとお世話になる親方です。
それから、その親方と一緒に寿司居酒屋を立ち上げて、7、8年の間、一緒に働いていました。
「そろそろ独立したいな」と思っていた時に、今のうちと同じような感じの、中野にある居酒屋から声がかかりまして、そこで働くことにしました。
そこで2年やったら独立すると決めて働いたんですが、なかなか良い物件がなかったのもあって、結局3年半後に独立したんです。
その店は、チャーハンとか焼鳥とか、色々なものを出していたので、料理のレパートリーも増えました。
28歳くらいの時に店長になったんですが、長いことボクより若い社員が入ってこなかったので、いつもまかないを全員分作っていました。
寿司屋だから、肉の端材が出ないんですよね。だから鶏肉とか、安い肉で作る料理が得意になったんです。
和食に限らず、なんでも作りました。
【東海林】
それが今の料理の種類につながっているんですね。
この店を始めたきっかけ
【東海林】
この店をオープンしようと思ったきっかけを教えていただけますか?
【松井さん
会社で、商品開発をしていると、会議で1円単位まで追求されたりしていました。
でも、自分がメインで店に立って、売り上げが足りなければ、それはそれでいいや、という気楽さ。
あとは、妻が働いてくれているのが、大きかったですね。
妻は英語の翻訳コーディネーターの仕事をしています。
だから、始めた頃から「稼げなくてもいい」という安心感がありました。
仕事への思い
【東海林】
どのような思いで働いていますか?
【松井さん】
ボクも含めて、スタッフも、もちろんお客さんもみんなが楽しい店だといいな、と思っています。
極力、化学調味料を使わないようにしていますし、冷凍食品もほぼ使わないですね。
使うとしても「さつまあげの中に入れるホタテ」とか、今だとそんなもんです。
あと、「毎日来られる店にしたい」と思っています。
常連さんがいつ来ても、メニューが毎日変わるように。
オープンから毎日メニューが変わり続けてきた
この店をオープンしてから、季節のオススメメニューは、毎日どこかしら変わっていて、まったく同じ日は1日もないんです。
【東海林】
それはすごいですね!
【松井さん】
刺身のネタが毎日変わるのはもちろんです。
おなかをすかせて、買い出しにいくと、その場で食べたいものが思い浮かぶんですよね。
ハンバーグとか、しょうが焼きとか、定食屋みたいなメニューを出すこともあります。
あと、「みんなで作ってる」感じが強いですね。
お客さんからのリクエストもメニューに
お客さんに「こういうのないの?」って言われて作るメニューもありますし。
「ラーメン作ってよ」って言われて「うちはラーメン屋じゃないよ!」って言いながら、魚のアラが出るから、それで出汁ひいてラーメンを作ったり。
意外と人気メニューだったりします。
とんこつラーメンって言われて、寸胴で1日半くらい煮て、さすがにトンコツラーメンじゃないから、それでカレーを作ったり。色々やってますね。
食いしん坊が作る料理ばっかりなので、あっさりしたのはありません(笑)
【東海林】
刺身の盛り合わせがいつもすごいですよね。
【松井さん】
ありがとうございます。
魚屋さんと懇意にしてまして、今日はカツオがたくさん入っちゃって」なんてことになると、うちもみんな引き取ってくるんです。
そういう日は常連さんにも「今日はカツオがたくさんあるから食べてよ」って言って、食べてもらいます。
お客さんも安く食べられたりするので、みんなハッピーですよね。
そうやって、魚屋さんのリクエストにも応えたりしていると、貴重なものを分けてもらえるようになったり、良い循環が生まれています。
いつでも阪神タイガースの試合が流れる店内
【東海林】
いつも阪神の試合が流れていますよね。
【松井さん】
阪神ファンなので、阪神の試合を流しています。
リクエストはありますが、チャンネルの件でケンカしないように「阪神」と決めています。
最後にひとこと
【東海林】
最後に読者の方にひとことお願いします。
【松井さん】
飲みに来てください。お待ちしてまつ。
今回は、阿佐ヶ谷「酒菜や まつ」さんの松井さんに話を伺ってきました。
近くの方は是非足を運んでみてくださいね。オススメです!
酒菜や まつ
◆電話 03-6315-1611
◆住所 東京都杉並区阿佐ヶ谷南2-21-14
◆営業時間 月~土17:00-25:00、金26:00まで
◆定休日 日曜日、祝日
◆HP https://r.gnavi.co.jp/3ghwedmn0000/