こんにちは!
とーかいりん男爵こと東海林大介です!
今回は、野球のルールの中でもややこしい「インフィールドフライ」と「故意落球」について解説します。
どちらも「守備側がずるいダブルプレイを狙うのを防ぐため」のルールですが、内容は全く別物です。
特にバントや外野手のケース、審判が宣告しなかった場合の補正ルールまで知っておくと、試合中の混乱が一気に減ります。
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1. インフィールドフライとは?
インフィールドフライが起こる場面をひとことで言うと「打者以外でダブルプレイが取れる状況」。
以下の条件がそろうと審判が「インフィールドフライ!」と宣告し、打者走者が自動的にアウトになるルールです。
- ノーアウトまたはワンアウト
- ランナーが一二塁、または満塁
- 内野手が通常の守備位置で「容易に」捕れるフライ
バントには適用されない!
インフィールドフライはバントの打球には適用されません。
そのため、守備側はあえてバントフライを落として3塁ー2塁や、本塁ー3塁でのダブルプレイを狙うことが可能です。
フェア・ファールの境界線
インフィールドフライはフェアの打球に限って適用されます。
ライン上に上がったフライがフェアならインフィールドフライ、ファールなら単なるファール。
審判員のコールは「Infield fly!if fair」
となり、フェアなら「Butter is out!」
ファールなら「Foul!」です。
守備側は、たとえファールゾーンに上がったとしても捕球すればアウトが取れるので、迷わず捕るのが得策です。
外野手でも適用される
「インフィールドフライ=内野手限定」と勘違いする人がいますが、実は違うんです。
外野手が内野エリアで容易に捕れるフライでもインフィールドフライは適用されます。
これは、外野手がわざと落としてもダブルプレイが取れてしまうため、ルールの趣旨(ダブルプレイ防止)から考えても妥当です。
わざと落としてもOK
インフィールドフライが宣告されていれば、守備側がわざと落としても攻撃側有利になるだけで問題はありません。
むしろ攻撃側は、リタッチの必要がなくなるため有利に動けます。
だからやっぱり、ちゃんと捕球するに限ります。
2. 故意落球とは?
故意落球が起こる場面をひとことで言うと「打者を含めてダブルプレイが取れる状況」。
以下の条件を満たすと審判が「故意落球」と宣告し、ボールデッド(プレイが止まること)になります。
- ノーアウトまたはワンアウト
- 一塁にランナーがいる(一塁のみ、一二塁、一三塁、満塁)
- 内野手または外野手が、手やグラブで触れてからわざと落とした場合
この場合、打者走者は自動的にアウトになり、走者は投球当時の塁に戻ります。
審判員のコールは「Time! That’s an intentional drop!」
「Butter is out!」
「You! Back to first base!」(一塁走者を戻す場合)となります。
裏テク:体当て・ワンバウンド
野球規則では「手またはグラブに触れてからの落球」が故意落球の対象です。
そのため、体でボールを前に落とせば故意落球にはなりません(でも危ないからやらない方がいいかも)。
またはわざとワンバウンドさせてから捕球するのはセーフ。
これを知っているかどうかで、守備側は1アウトか2アウトかの差を生むことができます。
3. インフィールドフライと故意落球の違い
- インフィールドフライ:審判が宣告し、打者走者が自動アウト
- 故意落球:実際に「わざと落とした」と判断されたときにプレーを無効化
両者は全く別ルールですが、同時に発生した場合はインフィールドフライが優先されます。
4. 審判が宣告しなかった場合の特例
インフィールドフライは審判が宣告して初めて効力を発揮します。
つまり、宣告がなければただのフライとしてプレーは続行されます。
ただし、野手が落球し、ダブルプレーが成立した場合には、インフィールドフライの趣旨(ダブルプレー防止)に反するため、打者走者だけをアウトにして、ランナーは投球時の塁に戻すという補正が適用されます。
これは野球審判員マニュアル第4版の67ページ30の最後に記載があります。
インフィールドフライについてしっかり学びたい方は、公認野球規則の「定義40」を見てみてください。
5. 攻守の対応ポイント
攻撃側
- インフィールドフライは インプレイ でなので、タッチアップを狙うのも良し、落球した場合は リタッチ義務がないため次の塁を積極的に狙う姿勢 が大事。
- バント時は「わざと落とされる」リスクがあるため、ランナーはフォースアウトを回避する動きが重要。
守備側
- バントフライは落としてダブルプレイを狙う頭脳プレーが可能。
- 故意落球を取られないよう、グラブで触れる前にコントロールするか、体当て・ワンバウンド戦術も有効。
- ノーアウト走者一塁のケース:
わざとワンバウンドで捕球して一塁に送球する場合、まず一塁走者にタッグ → その後一塁ベースを踏むのが鉄則。
先にベースを踏むと一塁走者の進塁義務が消え、アウトが取れなくなるため注意。
6. まとめ
- インフィールドフライは「打者以外でダブルプレイが取れる状況」。
- 故意落球は「打者を含めてダブルプレイが取れる状況」。
- インフィールドフライはバントには適用されず、フェアの打球に限る。外野手でも適用される。
- 故意落球は「手やグラブで触れた後にわざと落とす」と発動するが、体当て・ワンバウンドは有効な戦術。
- インフィールドフライは審判がコールしなくても、ダブルプレーが成立した場合に限り打者走者アウト&ランナー戻し。
- 攻守ともに、これらを知っているかどうかで試合の流れが大きく変わる。
最後に
今回は知っているようで正確には知らない人も多い、野球ルールの「インフィールドフライ」と「故意落球」について書きました。
「こんな場合はどうなの?」とか、「他のこんなルールについて教えて」など、疑問が浮かんだ時にはお気軽に連絡をしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。