こんにちは!
とーかいりん男爵こと東海林大介です!
今回は15年前にアウロラの万年筆を使い始めてから、まわり道にまわり道を重ねて、やっぱりアウロラを深く愛していることに気が付いた話を書きます。
長いです(笑)
万年筆に少しでも興味がある方に読んでいただけるとうれしいです。
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万年筆デビュー
2009年にアウロラのタレンタムで万年筆デビューして以来、色々な万年筆と時をともにしてきました。
何で買ったのかと言えば、当時の新築マンションのモデルルームでの接客で「お客さんから賢く見られたい」という不純な動機が95%でした。
あとは、単純にボールペンよりも楽しそうという理由です。
アウロラを選んだ理由はデザインです。
イタリアのメーカーで、デザインがセクシーだなぁと感じて気に入ったんですよね。
特にクリップの形状。
先っぽは、雫(しずく)が今にも落ちようとしているようなドロップ型。
こんなの他にはない!とこの部分にひとめぼれでした。
そのあたりの経緯を書いた記事はこちら
万年筆を使い始めた理由と万年筆の使い心地、それにアウロラを愛する理由
https://rinsuke.com/fountain-pen/
カートリッジ式?コンバーター式?吸入式?
そのタレンタムというモデルは、デビューにふさわしい価格ではありました。
でもインクの供給方法がカートリッジ、もしくはコンバーターという「インクが吸えるカートリッジ」みたいな感じでした。
機械大好きなとーかいりんとしては、後から知った「吸入式」が気になって仕方ありません。
吸入式は、ペン先をインクにつけて、本体の尻軸(しりじく)というペン先の反対側をくるくる回して本体に直接インクを吸う方式のことなのです。
今では個人的には、この機構こそ「ザ・万年筆!」と思っていて、吸入式でないと食指が動かない体質になってしまっています。
で、上の記事でも書いたように、しばらくは、アウロラの88(オッタントット)というモデルを万年筆とボールペンのセットで使っていました。
2021年の夏頃だったかな・・・
転機が訪れます。
始めてペリカンというメーカーに興味を持ったのです(超有名なので、前から知ってはいました)。
まずはボールペンからで、スーベレーンのK800青縞です。
これは今でも持っています。
その次に手を出したのは、M805のデモンストレーター。
このあたりの経緯を書いた記事はこちら
大のアウロラ好きな男がペリカンデビュー|万年筆とボールペンの話
https://rinsuke.com/m805demonstrator/
ペリカン沼へ・・・
そこからペリカンの良さを知ってしまって、縞の軸の美しさにも惹かれて、M800の茶縞もゲット。
ニブ(ペン先の太さ)は中字でした。
更に更にさらに!奇跡が起きたんです!
発売と同時に完売、その後1年経ってから知った、東海林史上最高に美しいと思った万年筆。
ペリカンM1000白光(びゃっこう)を新品で手に入れることができたんです。
螺鈿(らでん)細工という白蝶貝が芸術的に軸とキャップに散りばめられている万年筆なのです。
これはドイツの雄ペリカンと、日本の加賀の螺鈿細工の匠が、手を取り合って作り上げた貴重な逸品です。
いやぁ、この日は世界で一番ツイてる自信があったくらいツイてました。
あとは、廃盤になったペリカン最小のM300の緑縞とも縁がありました。
こんなに小さいのに吸入式?と思うほどに小さなボディに本格機構が詰まっているのは、手にとって眺めているだけでうっとりします。
憧れのドルチェビータ
大好きな小説家、雫井脩介さんの「クローズドノート」を読んで以来、いつかはドルチェビータ!と思っていました。
でも、そうこうするうちに、2018年2月にそれを作っていたデルタ社が廃業。
は、は、廃業?
世界的に?(日本だけ?)需要が減っているのかもしれないとはいえ、万年筆メーカーが廃業するなんて。
当時はとてつもないショックを受けたのを覚えています。
しかししかししかし!
2022年に復活したのです。
これを機に思い出したのと、気になっていたメンテナンスも、「ボクには川窪万年筆店さんという心強い味方がいるじゃないか!」と思えたので、ドルチェビータとの甘い生活も始まるのでした。
ドルチェビータは、イタリア語で「甘い生活」という意味です。
それぞれを愛してはいるが・・・
好きなんですよ。ペリカンもデルタも。
美しい軸に書き心地。
所有しているだけで、眺めているだけで、字を書いているだけで、幸せな気持ちになれます。
そんなものが他にあるでしょうか。
しかし段々と芽生える違和感。
それはなんなんだろうと思っていたものの、気付かないふりをしていたのかもしれません。
なんでかというと、もうそれだけで甘い生活で幸せだったから。
でもやっぱり日々大きくなる違和感には抗えません。
みんなを愛しているけど、ボクはやっぱりアウロラを愛しているということに気付いてしまったのです。
いや、アウロラしか愛せないことに気付いてしまったのかもしれません。
それはアウロラの万年筆が増えるほどに確信が深まっていきます。
アウロラコレクション
現在は8本所有しています。
手に入れた順に紹介すると、まずは一番長く愛用している
・88(オッタントット) 一番上
・88ソーレ 上から2番目
そして初めての憧れの946軸である
・フジザクラ(富士桜) 上から4番目
それから、同じ946軸の
・アンビエンテ ギアッチャイオ 下から4番目
・アンビエンテ トロピチ 下から3番目
・アンビエンテ デゼルト 上から3番目
・オチェアーノ アンタルティコ 下から2番目
・オチェアーノ アトランティコ 一番下
の順にめぐり逢っていきます。
アウロラのフィット感
軸が増えれば増えるほどに相性が合うことを実感していくんですが、何がそんなに良いのでしょう。
長年使って慣れ親しんでいる88(オッタントット)なので、その軸の太さが好みの基準となってしまっています。
それから、88のトリム(金属部分)は軽い素材でできているのに対して、946軸は基本的に(富士桜は不明)純銀でできています。
だから重量感と書く時の重量バランスが88とは違うんです。
これがまた、88よりも更にボクの腕にフィットするんですよねぇ。
書けば書くほど心地良さを実感します。
あとは、書く時のペン先のやわらかさと、インクフローもボクの好みということに気が付きます。
ペリカンM1000は軸が太すぎて、ペン先はかなり柔らかいので、書いても書いても上手に書ける気がしない。
M800はペン先の柔らかさはちょうどいいけど、ペン先の感じとインクフローと軸の細さがちょっと。
デルタのドルチェビータはM1000よりも更に太くて、全体がドーンという感じ(伝わらない)がします。
軸が太いとなんで合わないか分析すると、文字を書く時に、指と手首の可動域が少なくなるからなのではないかと思ってます。
特に指が自由に動かなくなるイメージです。
これも他のメーカーの万年筆を実際に使ってみてわかったこと。
人生の一部をともにすごしたことに全くの悔いはありません。
いや、むしろありがとう!
そういう意味でアウロラ姫たちは、手への収まり感、インクフロー、ペン先の硬さ、字がうまく書ける感など、どれを取ってもボクに合っているのです。
それになんと言っても、イタリアンデザイン!
アウロロイドという、セルロイドを改良したというアウロラ独特の素材は見目麗しい!
小さな透明の石が散りばめられたようなデザインは、眺めているだけで酒が飲めます。
というくらい愛しているのです。
そう、そのくらい美しいので、ボクは万年筆に性別があるならば女性だと思うので「姫」と思っています。
女性は大切に扱わないとですもんね。
オススメの万年筆
よく、万年筆を使ったことがない人や、またはこだわりのを持っていない方に聞かれることがあります。
「どんな万年筆を買ったらいいですか?」と。
そんな時はこうやって答えることが多いです。
「見た目が気に入ったものを買うといいと思います」
見た目を愛することができれば、末永く愛することができると思うからです。
愛着があれば使う機会が増えますし、機会が増えればまた愛も深まるというものです。
あとは、実際に店に足を運んで、手にとって書いてみることです。
持ってみると軸の太さ、重さがわかります。
ペン先にインクを少しつけて、試し書きもさせてもらえる店がほとんどでしょう。
それによって、太さの好みもわかります。
とーかいりんは生粋のB(太字)派でしたけど、今の好みはF(細字)です。
万年筆は主にB(太字)、M(中字)、F(細字)、EF(極細)と4種類あります。
国内メーカー、海外メーカーでも太さが違うので、やっぱり実物を手にとってみるのがオススメです。
ということで今回は、万年筆歴15年のとーかいりんが、めぐりに巡ってアウロラしか愛せない体になってしまったことについて書きました。
この記事を読んで、1人でも多くの万年筆ファンが増えたらこの上ない喜びです。
万年筆ファンになったら、是非一緒に綴りましょう~!
こんな会をやっています。
集まって「書く」会を開催してます~万年筆でひとことつぶやき
https://rinsuke.com/fptweet3/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この万年筆を使って、美文字チャレンジしていることについて書いた記事はこちら
美文字になりたい!万年筆で毎日書いてインスタにアップ
https://rinsuke.com/bimoji/