こんにちは!
とーかいりん男爵こと東海林大介です!
今回はNPBアンパイアスクールに参加してきたことについて書きます。
スクールの様子がYouTubeにアップされていました。
とーかいりんは7:09あたりから、座学の場面で登場します。
ジャッジしているところがよかったなぁ(笑)
とか言って、登場するだけラッキーですね。
目次・読みたい個所へジャンプ
お父さん審判
とーかいりんはお父さん審判です。
息子が少年野球のチームに入ったと同時にコーチになりました。
高校野球~草野球と、野球経験はそれなりにあるので、野球のルールはだいたいわかります。
が!審判となると話は別です。
審判に対しては「1つもミスしてはいけない」みたいな、そんな印象があって、興味はあるけどちょっと怖い。
そんな風に思っていました。
でも、やってみたら、ものすごく楽しかったんですよね。
それからハマりにハマって、ついに日本最高峰の野球の審判のスクールを受講するまでになったというわけです。
審判については過去にこんな記事も書いています
息子の少年野球チームの試合で、3月に初めて1試合全部の球審をやってみて楽しかった話
https://rinsuke.com/plate-umpire/
マリンのビジョンに映った広告
息子とは、たまに近所のマリンスタジアムに野球を見に行きます。
そんな7月くらいのある日、「NPBアンパイアスクール受講生募集」という広告がバックスクリーンに出ていました。
ちょうど審判にハマっていたので息子がボクに、「ちったん、受けたら?」と言います。
なにそれ?と思って調べると、なんとプロ野球の審判が教えてくれるスクールだというのです。
ロッテ浦和球場でのスクールは、6泊7日の泊まり込みで、ホテル代と3食が付いて86,000円。
1日あたり1万円ちょっとという、なんとも安い受講料!
これは受けてみたい!と思って、早速応募してみます。
野球歴は高校までで、高校名まで書く欄があります。
審判歴は2年で、しかも少年野球。
いいのか?プロ野球の審判が受講生の中から毎年数人出るというのを知っていたので、ガチの人も多いはずです。
受講生の定員は60人。
しっかりと「将来的には高校野球の大会で審判をすることが目標」という自己PRも書いて応募します。
書類選考の結果・・・
落選というメールがきました。
でも、そのメールは非常に丁寧なものでした。
「定員により、今回は見送りとなりましたが、キャンセルが多く出るので、その時にご都合が許せば是非」のような内容でした。
後日、キャンセル待ち期限の直前に、「受講できることになりました」という電話があり、飛び上がって喜びます。
とーかいりんの仕事は生命保険と、たまに損害保険を売ることなので、仕事を前倒しで終わらせて、浦和に向かいます。
6泊7日のスクールに、妻も息子も気持ちよく送り出してくれました。
本当にありがたいことです。
初日
なんと、開校前に並ぶ姿も映っていました(笑)
青いダウン&シルバーのリモワがボクです。
50人くらいの受講生を見渡すと、若者が多い印象です。
何人かに話を聞いてみると、20歳前後の高校生、大学生が多そうです。
中には、BCリーグとか、四国アイランドリーグなどで現役の審判をしている人もいます。
そうか。そうなのか。
やはりここは、ガチの人が本気でプロ野球の審判を目指して来るスクールなのか。
ということを改めて実感します。
毎日9時から16時までグラウンド、19時から21時までホテルで座学というスケジュールです。
初日は10:30から早速グラウンドで始まります。
初日の最初はゴー・ストップ・コールです。
「ゴー!」で軽く走り出して。
「ストップ!」で止まって、ハンズオンニーセット(両手を膝の上に固定)。
「コール!」でアウトorセーフです。
アウトは「He’s OUT」なので、「ヒズアウト!」って感じで。
セーフは「セーフ!」です。
手を上げる角度、タイミング、動かす方向。
カッコよいジェスチャーには、色々な決まりがあります。
2人制審判
このスクールに参加して初めてわかったことが、4人制ではなく、2人制で講義が進んでいくということ。
しかも、最初だけかと思っていたら、スケジュールを見ると最後まで2人制です。
やってみてわかったことは、2人制は、球審と塁審の2人体制でやるので、4人制よりも難しいということ。
打球判定(フェアorファウル、キャッチorノーキャッチなど)、すべてのランナーの触塁、タッグアップの離塁の確認、走塁妨害、守備妨害、ボーク、コーチズアシスト、追い越しなどなど、すべてを2人で確認しないといけないのです。
いやー!難しい!
やってみて思ったのが、2人制を完璧にできたら、4人制なんて簡単に思えるはず。
ということで、初日は、
・球審の基本メカニクス
・塁審の基本メカニクス
を全員で学んでから、内野ゴロ、外野へのヒットの動きを実際にやりました。
その後、3班に分かれての実習です。
・1塁フォースプレイ
・ピボットターン
最後にゴー・ストップ・コールをして、ストレッチをして、それぞれホテルに向かいます。
2日目
午前は、色々な場面を想定して、球審、塁審の動きを勉強してから、3班に分かれて実習です。
・ブルペンでの投球判定
→ワンモアピッチからベースを掃いて、マスクをかぶり、プレイ!をかけるところから。
→ストライク3かボール4でタイムをかけて交代
他の2班は・・・
・走者1、3塁の球審の動き、1、2塁間のランダウン。
・盗塁時の打者の捕手への妨害など
午後はまた3班に分かれて
室内練習場で退場のコール
4日目だったかな?
この日は雨で、初めてで唯一の室内練習場でのスクールになりました。
この日から、指導員さんが監督役、コーチ役となって、猛烈に抗議をする場面が増えました。
それに対して、警告を発したり、退場を宣告したり、ジャッジの説明をしたりします。
おもしろかったのは、「ただ今の判定をご説明いたします」と言って、マイクで球場内に説明することまで再現したこと。
「ただ今のプレイをご説明いたします」と言いそうになったけど、説明するのは「プレイ」ではなく、あくまでも「判定」なのがポイントです。
ここで初めて知ったのは、「ストライク・ボールに関する判定については異議申し立てできない」ということ。
更に、「ハーフスイングに対する異議申し立てもできない」ということ。
これを続けると、警告の上、退場を宣告することができます。
勉強になるなぁ。
ちなみにこのスクール中に、退場宣告は20回はしました(笑)
知らなかったルール
イリーガルピッチは投球がファウルラインを超えた場合のみ
ランナーなしで、ピッチャーが「ボーク」の時と同じ反則をすると、「イリーガルピッチ」となります。
だから、モーションの途中でボールを落とした場合には、「ボール」だと思っていました。
でも、結論は「ノーカウント」。
コロコロ転がって、ファウルラインを超えた場合に初めて「ボール」となります。
わかりやすく「ボークと同じ」と書きましたけど、正確にはあと2つ。
・プレートを踏んでいない場合
・クックリターンピッチ
この場合にイリーガルピッチになります。
プレイを「止めるボーク」と「流すボーク」
投球前のボークは即座に「タイム」、投球する場合は試合を流します。
走者1塁の場合で見てみると、コールはこんな流れになります。
前者のコールは「ザッツアボーク!」「タイム!」「ザッツアボーク!」「ユーセカンドベース!」といった順番です。
後者は、打者を含む全ての走者が1つ以上進塁したら、「ボークはなかったことに」。
誰か1人でも進塁しなかったら、プレイが止まった時点で「タイム!」「ザッツアボーク!」「ユーセカンドベース!」「ユ!ーバックトゥーバット!」で打者打ち直し。
更に知らなかったのは、その場合は、ストライクボールのカウントはノーカウント、つまり、ボーク発生前のカウントから打ち直しになります。
2種類のオブストラクション(走塁妨害)
プレイの中のオブストラクションは即座にタイム。
「タイム!」「ザッツオブストラクション!」「ユー!セカンドベース!」という感じ。
プレイと関係ない場所でのオブストラクションは、プレイが止まった時にタイムをかけて「妨害がなければどうなっていたか」を審判がジャッジ。
「ユー!ステイファーストベース!」など。
ハーフスイングのコール
スイングした場合は左手で打者を指差し、右手でストライクの形。
コールは「イエス!ヒーウェント!」
スイングしていないと判断したら、「ボール!ヒーディドゥントゴー!」で、ノージェスチャー。
ボールの場合に捕手からスイングのアピールをされたら、左手で塁審を指差し「ディドゥヒーゴー?」
塁審はスイングの場合は、アウトと同じジェスチャーで「イエス!ヒーウェント!」
ノースイングの場合は、セーフと同じジェスチャーで「ノー!ヒーディドゥント!」
これができたらカッコいいですね。
インフィールドフライの帰塁義務
インフィールドフライは、フライをキャッチでもノーキャッチでも宣告と同時に打者アウト。
これはもちろん知っていたんですが、勝手に「キャッチとみなされるから、帰塁義務がある」と思い込んでいました。
でも、落としたら、普通のフライと同じようにリタッチせずに次の塁へ進むことができる。。。
この勘違いはボクくらいかもしれないです(笑)
インプレイなので、捕っても捕らなくてもプレイは止まりません。
ただし、ファウルの場合は捕ればアウト、落とせばファウルです。
インフィールドフライ!(イフフェア)ですから。
ちなみに、インフィールド(内野)フライなので、外野手が内野エリアで捕球した場合にも適用されます。
タイムプレイのコール
タイムプレイというのは、たとえば、2アウト走者1、2塁で、センター前ヒット。
ホームインが早いか、他のランナーのアウトが早いか、のようなプレイです。
2塁走者は刺せないと思ったセンターが、1塁走者を刺そうと3塁に送球してアウト!
この時に、2塁走者のホームインが早かったら、「ザッツランスコア!ザッツランスコア!」、とホームを指差し、その後に記録員に向かって、1のジェスチャーで「スコア!ザッツラン!」とやります。
3塁アウトが早ければ、両腕を頭の上でバイバイみたいに交差させながら「ノーラン!ノーラン!」とやります。
記録員にも同じ。
これ、ちゃんと事前に「タイムプレイがあるぞ」と意識して位置取りして判定しないと大問題になります。
タイムプレイがある場合は、他の審判に向かって、時計をちょんちょんするジェスチャーをします。
スクイズの時のキャッチャーの妨害
これ、滅多にないどころか、ほぼ起きることはないんだろうけど、知らないとジャッジできないことの1つ。
スクイズで3塁走者がホームに走ってきて、キャッチャーがホームベースより前に出てきてボールをキャッチしたらどうなるか?
答えは、打者は打撃妨害で1塁へ。
「タイム!」「ザッツインターフェアランス!」「ユー!ファーストベース!」
その後、ボークを適用して、各走者は1つ進塁。
「ザッツアボーク!」「ユー!スコア!」
なななな、なぜボーク!?二重罰ということなんでしょうけど・・・
と思いますが、投球前にキャッチャーズボックスを出たらボークだから、わからなくもない。
でも、これ予め知っていなければ、絶対に絶対にジャッジできないですよね。
などなどなどなど。
初めて知ることがたくさんあって、毎日毎日めちゃくちゃ勉強になります。
6日目の最終テスト(キャンプゲーム)
いよいよこの日がやってきました。
アンパイアスクールという名前をしているけど、NPB審判員の採用の場という意味合いの方が強いんです。
20歳前後の若者を中心に、学生から、地方プロリーグの現役審判員まで、本気でNPB審判員になりたい人たちの、まなざしが更に真剣になってきます。
さて、テストの形式はというと・・・
2人1組になって、球審と塁審のテストを行います。
テストは2回で、1回目に球審をした人は、次の回に塁審を。
先に塁審をしたら、2回目は球審。
それぞれに、6プレイ~8プレイくらいの場面を起こして、ジャッジしていきます。
見守る仲間たちの歓声を受けながら、その時点でできる限りを尽くします。
審判員の皆さんからも、1プレイごとに「ナイスジャッジ!」と声が上がります。
このスクールを通じて、審判員さんの盛り上げようととする気持ちが伝わってきて、まさに「クルー」、「チームなのだ」という印象を持ちました。
50人25組が全組終わると、結果は翌日ということで、実質このスクールの実技が終わりました。
最後の夜は、若手審判員のみなさんによるレクリエーションがあって、クイズあり豪華商品の抽選ありで盛り上がりました。
豪華商品の一番の目玉は、NPB仕様で、硬式用のウィルソンのインナープロテクターです。
買えば3万円前後はする垂涎ものの賞品でした。
ボクは友寄審判長からの1つで、アームバンドが当たりました。
7日目(最終日)
前日に組んだ2人組で、面談をします。
NPBの審判員としての採用を希望するか、しないか。
参加してみての感想など。
友寄審判長と、栄村さんと、あともう一方(失念しました)の3人と和やかな空気の中での面談でした。
とーかいりんはお父さん審判なので、この経験を持ち帰って、地元の野球発展に活かします、という話をしてきました。
息子が中学にあがって、審判として関われなくなった後は、高校野球の千葉県大会の舞台に立つのが夢の1つです。
それまでは、少年野球の審判として、技術を磨き、これから審判をするお父さんたちに向けて、知識や技術を伝えていきたいと思っています。
最後に
このNPBアンパイアスクールに参加して、本当によかったと思っています。
自分が審判をするようになってからは、プロ野球を見ていても、審判の動きに注目することが多くなりました。
また、ジャッジすることの難しさもなんとなくわかるようになってきたので、どちらかといえば審判寄りの気持ちになるようになりました。
それを考慮に入れてもなお、NPBの審判員のみなさんの知識量、堂々たる動き、なにをとっても「プロフェッショナル」を感じました。
若手のみなさん1人1人が、プロ意識を持って、働いている姿を垣間見ることができて、本当に感動しました。
きっと若い頃に参加していたら気が付かなかったことでしょう。
今は営業マンとしてプロフェッショナルとして、自分でも頑張っているからこそ、審判員の皆さんの「プロ意識」の輝きがよく感じられたのではないかと思っています。
いやー、本当にカッコよかった!
もし許されるのであれば、2年後、3年後にまたこのアンパイアスクールで勉強させていただきたい。
そんな風に思っています。
今回は、12月にNPBアンパイアスクールに参加してきたことについて書きました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。